東京に引っ越して落ち着いたころ、新しい自治体で発達検査(新版K式発達検査2001)を受けました。その時は5歳2か月でしたが、発達年齢(DA)は2歳10か月、発達指数(DQ)は55でした。初めて「知的障害を伴う自閉症スペクトラム」と診断を受けました。知的な遅れはないと思っていたのでショックを受けました。
引っ越した先で発達について相談し、福祉センターで発達検査を受けました。後日結果を説明してくださった医師はK式発達検査の用語や数字を説明してくれた後、何か質問はないかと聞いてくださったので、ずっともやもやしていた診断について聞いてみました。
私はそれまで勝手に知的な遅れはないと思っていたので、かなりの衝撃が走りました。自閉症というのは想定内だったのですが…
医師の話をまとめると、
- およそ2歳下の弟と同じ発達レベル
- 小、中は特別支援学級、高校は特別支援学校の高等部という進路が予想される
- 放課後等デイサービスの利用で居場所を作るのがおすすめ
- 成長するにしたがって、そのうち弟が兄のことをバカにするようになるかも
とのことでした。最初は信じられなくて、「そんなはずはない」と思いました。セカンドオピニオンとして児童精神科の個人病院へ行ってみたらどうだろう。とも思いました。でも、診断をしてくださった先生は児童精神科の権威で、その先生が言うのなら間違いないと言われるであろうことを知り、諦めました。
それから軽度知的障害についていろいろ調べました。同じぐらいのDQのお子さんのブログも探しました。将来、どのぐらいのことが理解できるのか、仕事はできるのか、知的なレベルはこれから伸びていくことはあるのか、伸ばすにはどのようなことをすればいいのか。個人差があるだろうし、長男が他の誰かと全く同じように成長することはないので、気休めにしかなりませんが、それでも手掛かりというか、何か目安のようなものが欲しかったです。
療育は、発達検査をしてくれた福祉センターで月に1度、臨床心理士の先生と1対1の個人療育を受けました。幼稚園は公立の幼稚園に介助の先生付きで通いました。療育も1対1だったし、幼稚園も介助の先生が付いてくれていたし、とても良い環境だったと思います。幼稚園には同じように介助の先生がついている子が何人かいて、保護者同士も情報交換できるし、仲間意識というか、同じような悩みを共有できたり、あるある~!と共感できることがとても嬉しかったです。他のクラスメイトたちも、その保護者のみなさんも、長男のような存在を当たり前のように受け入れてくれていて、本当にありがたかったです。(今思い出しても涙がでそう…!)
また、知的障害があれば療育手帳というものを取得できるということも知り、児童相談所に電話をして面談・検査をしてもらい、取得しました。(東京都では「愛の手帳」という名前)判定区分は4度という一番程度の軽いものでした。手帳は障害があるからといいって必ず取らなくてはいけないものではないし、診断がついたら自動的にもらえるものでもないのですが、我が家は取得して良かったです!博物館や美術館、動物園や水族館などなど、多くの施設で入場が無料(または割引)になります。たいていの施設では付き添いも1人無料(または割引)になるので、とってもお得になります。(他にJRの運賃の割引などもある)
我が子が障害がある、ということを受け入れるまで、少し葛藤はありました。でも療育手帳を手に入れたころには、使えるサービスはめいいっぱい使わせて頂いて、少しでも長男の発達にプラスになることをたくさんしよう!という気持ちになっていました。
コメント