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【ブックレビュー】AI vs 教科書が読めない子どもたち

AmazonのPrime readingで見つけたので読んでみました。かなり衝撃の内容でした。AI技術によって、近い将来仕事を奪われる人々が出てくる、という話は聞いたことがありましたが、中高生の読解力がこれほどまでに低いとは…!

著者は「ロボットは東大の入試問題を解けるか?」を様々なAl技術を使って検証しています。そんなのAIだったら簡単に解けちゃうんじゃない?と思ったのですが、実はそうでもない。AI技術には計算しかできないので、人間の脳の全てを再現することは不可能なんだそうです。人間の脳の機能を全部数式に置き換えることはできないから。そもそもAI(人工知能)存在しておらず、今AIと言われているものはAI技術=AIを実現するために開発されている様々な技術のことなんだそう。

それでも著者たちの開発するロボットは、マーク模試の偏差値でMARCHの合格圏内に入ったそうです。(学部や学科は内緒だそうです。)すごい…!今後10~20年で働く人の半数がAI技術に職を奪われるんだそうです。10年後、20年後はきっと想像もしていないような世界になっているかもしれませんね。本当に技術の進歩はすごいです。

だから、AIに肩代わりできない仕事を不足なくうまくやっていけるだけの読解力、常識、柔軟性、発想力を十分に備えておくことが必要。なのですが、中高生に読解力テストを行ったところ、予想をかなり大幅に下回る結果になったんだそうです。読解力がない=教科書が読めない、教科書を読んでも理解できない。逆に言えば教科書を読んで理解することができたら、勉強もできて成績も上がる。しかし、こうすれば読解力が上がるよ!という因子は見つかっていないようです。本をよく読む人が読解力が高いか、というとそうでもないらしい。(ただ読んで、内容を正確に理解していないということもありますよね…)

じゃあどうすればいいの!?と思いますが、多読ではなく、精読、深読になんらかのヒントがあるのかも?と筆者は述べています。ただ読む(文字を追う)んじゃなくて、本当に意味を理解しているのか、頭を使ってしっかり考えながら読むといいのかな、と思いました。

更に筆者はデジタルドリルの弊害についても触れていて、問題文に出てくる数字を使って、とりあえず何らかの式に入れて「当てようと」してしまうようになる。フレームが決まっていると、子どもは教える側が期待しているのとは別の方法で、そのフレームのときだけ発揮できる妙なスキルだけを偏って身につけてしまう。んだそう。わかんなくてもとりあえずそれっぽい答えで解答欄うめとこう、っていうやつですかね。結局、どんなに計算が早く正確になっても、どんなにたくさん漢字が書けるようになっても、その辺りは電卓とか、変換機能とかで代替できます。もちろんできるに越したことはないんだけど、そこから先は読解力がないと成績は伸びない。弊害っていうと言いすぎかもしれないけど、デジタルドリルだけやって、やった気になって満足していると読解力が身についていない→そこから先が理解できないようになってしまうよ、ということでしょうか。

IT技術やAI技術でとって代わることができない人材とは、意味が分かり、フレームに囚われない柔軟性があり、自ら考えて価値を生み出せるような人材。そんな人材に自分自身も、これからを生きていく子どもたちも、ならなくてはいけない、ということで…。とりあえず自分自身の読解力もあやしいなと思うので、ちゃんとよく考えよう、と思いました。

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